頭痛に抗うつ剤が有効?|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

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頭痛に抗うつ剤が有効?|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

頭痛に抗うつ剤が有効?

頭痛に抗うつ薬が効く?うつ病ではなくても処方される理由と注意点

皆様、こんにちは。

すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。

今回は、頭痛の治療に使われる抗うつ薬についてお話しします。

「頭痛なのに、抗うつ薬を処方された」

「うつ病ではないのに、なぜ抗うつ薬を飲む必要があるの?」

このように疑問に思われる方もいらっしゃると思います。

実は、抗うつ薬の中には、片頭痛や緊張型頭痛の予防に効果が認められているものがあります。

ただし、すべての抗うつ薬が頭痛に有効というわけではありません。

また、当院でも抗うつ薬を頭痛治療のために積極的に使用しているわけではなく、頭痛の種類や症状、他の治療薬との兼ね合いなどを考えながら、必要に応じて検討しています。

今回は、抗うつ薬が頭痛に効く理由や、どのような場合に使用されるのかについて解説します。

なぜ抗うつ薬が頭痛に効くの?

抗うつ薬という名前から、気分の落ち込みやうつ病を治療する薬というイメージが強いと思います。

もちろん、本来はうつ病などの治療に使用される薬ですが、一部の抗うつ薬には、痛みを和らげる作用もあります。

私たちの脳や脊髄には、痛みの信号を抑える仕組みが備わっています。

これを「下行性疼痛抑制系」といいます。

少し難しい言葉ですが、簡単にいえば、脳から痛みを抑える働きかけをする仕組みです。

この仕組みには、セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質が関係しています。

一部の抗うつ薬は、こうした神経伝達物質の働きを調整することで、痛みを軽減すると考えられています。

つまり、うつ病ではない方でも、抗うつ薬によって頭痛が改善する場合があるということです。

ただし、片頭痛に対する予防効果の仕組みは、まだ完全に解明されているわけではありません。

どのような頭痛に抗うつ薬が使われる?

主に、片頭痛と緊張型頭痛の予防治療で使用されることがあります。

① 片頭痛

片頭痛は、ズキズキする痛みや、吐き気、光や音への過敏などを伴うことがある頭痛です。

頭痛の頻度が多い場合には、発作が起きたときの薬だけでなく、頭痛を起こりにくくする予防治療を検討します。

片頭痛の予防薬には、ロメリジン(ミグシス)、プロプラノロール(インデラル)、CGRP関連薬剤など、さまざまな種類があります。

その選択肢の一つが、抗うつ薬のアミトリプチリン(トリプタノール)です。

アミトリプチリンには、片頭痛の発作回数や頭痛の程度を軽減する効果が認められています。

ただし、眠気や口の渇きなどの副作用もあるため、すべての患者さんに適しているわけではありません。

当院では、片頭痛の予防に抗うつ薬を積極的に使用することは多くありませんが、他の予防薬で十分な効果が得られない場合などには、選択肢の一つとして考えています。

片頭痛の予防治療には、抗うつ薬以外にもさまざまな選択肢があります。

従来の予防薬から、CGRP関連抗体薬や新しい内服薬まで、詳しくは「片頭痛の予防治療はここまで進歩しました!最新の治療薬について」をご覧ください。

② 緊張型頭痛

緊張型頭痛は、頭を締め付けられるような痛みが特徴的な頭痛です。

首や肩のこりを伴うことも多く、長時間のデスクワークや姿勢、精神的な緊張などが関係する場合があります。

特に、頭痛が月に15日以上、3か月を超えて続くような慢性緊張型頭痛では、抗うつ薬による予防治療が検討されることがあります。

アミトリプチリンは、慢性緊張型頭痛に対しても予防効果が認められている薬です。

ただし、緊張型頭痛のすべてに抗うつ薬が必要というわけではありません。

当院では、まず頭痛の頻度や生活への影響、鎮痛薬の使用状況などを確認します。

また、首や肩の筋肉の緊張、姿勢、睡眠など、頭痛に関係する要因についても考えていきます。

そのうえで、慢性的な頭痛が続き、日常生活に支障が出ている場合などには、薬による予防治療を検討します。

頭痛に使用される代表的な抗うつ薬

・アミトリプチリン(トリプタノール)

頭痛の予防治療で、比較的よく知られている抗うつ薬です。

三環系抗うつ薬という種類に分類されます。

片頭痛と慢性緊張型頭痛の両方に予防効果が認められています。

頭痛の治療では、一般的に少量から開始し、効果や副作用を確認しながら調整します。

ただし、効果が現れるまでには一定の期間が必要であり、飲み始めてすぐに頭痛が治る薬ではありません。

また、眠気、口の渇き、便秘、体重増加などの副作用がみられることがあります。

心臓の病気や緑内障、排尿障害などがある方では、特に注意が必要です。

・SSRI・SNRIなどの抗うつ薬

抗うつ薬には、三環系抗うつ薬以外にも、SSRIやSNRIと呼ばれる種類があります。

これらもセロトニンやノルアドレナリンなどに作用する薬ですが、アミトリプチリンと同じように頭痛の予防効果が認められているわけではありません。

例えば、SSRIについては、片頭痛や緊張型頭痛の予防薬として十分な有効性が示されていません。

一方、SNRIの一部には頭痛への効果を示した研究もありますが、薬によってエビデンスは異なります。

そのため、抗うつ薬という分類だけで、頭痛に効くかどうかを判断することはできません。

抗うつ薬を使う際の注意点

抗うつ薬は、頭痛に有効な場合がある一方で、副作用にも注意が必要です。

特に、アミトリプチリンでは次のような症状がみられることがあります。

  • 眠気、ふらつき

  • 口の渇き

  • 便秘

  • 体重増加

  • 排尿しにくくなる

  • 動悸などの循環器症状

また、他の薬との飲み合わせにも注意が必要です。

例えば、片頭痛の治療に使用するトリプタン系薬剤と、一部の抗うつ薬を併用する際には、まれですがセロトニン症候群という副作用に注意する必要があります。

ただし、併用が一律に禁止されているわけではありません。

服用中の薬を確認しながら、必要に応じて慎重に使用します。

また、抗うつ薬は自己判断で急に中止すると、体調不良などが起こる場合があります。

中止や減量についても、処方した医師と相談することが重要です。

当院では抗うつ薬を積極的に使用している?

当院では、頭痛の治療に抗うつ薬を積極的に使用しているわけではありません。

理由の一つは、現在では片頭痛を中心に、抗うつ薬以外にもさまざまな治療の選択肢があるためです。

例えば、片頭痛の予防治療には、従来から使用されている内服薬に加えて、CGRP関連薬剤などもあります。

もちろん、これらの薬にもそれぞれ適応や副作用、費用面での問題があり、すべての患者さんに適しているわけではありません。

また、緊張型頭痛では、薬を増やすことだけでなく、生活習慣や睡眠、首や肩の筋肉の緊張などを見直すことも重要です。

私自身は、抗うつ薬が頭痛に有効であることは理解していますが、必ずしも最初から使用する必要はないと考えています。

一方で、慢性的な頭痛が続いている方や、他の治療で十分な効果が得られない方などでは、抗うつ薬が有効な選択肢になる場合もあります。

大切なのは、薬の種類にこだわることではなく、患者さんの頭痛の特徴や生活への影響に合わせて、適切な治療を選択することだと思います。

当院での治療経験については「片頭痛の注射薬の満足度は高い」でもご紹介しています。

まとめ

抗うつ薬の中には、片頭痛や慢性緊張型頭痛の予防に有効な薬があります。

特にアミトリプチリンは、頭痛に対する予防効果が認められており、うつ病ではない方にも使用されることがあります。

ただし、抗うつ薬であれば何でも頭痛に効くというわけではありません。

また、副作用や他の治療薬との兼ね合いも考える必要があります。

当院では、抗うつ薬を積極的に使用する方針ではありませんが、患者さんの症状や治療経過によっては選択肢の一つとして検討しています。

頭痛の治療で大切なのは、頭痛の原因や種類を適切に判断し、それぞれの患者さんに合った治療を行うことです。

頭痛が長期間続いている方や、現在の治療で十分な改善が得られていない方は、当院へご相談ください。

頭痛が長期間続いている場合や、これまでと頭痛の性質が変わってきた場合には、脳の病気が隠れていないかを確認することも重要です。

詳しくは「頭痛でMRIを撮ったほうがいいのはどんなとき?」でも解説しています。