頭痛学会に参加
こんにちは。
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。

2024年12月7日、横浜で開催された日本頭痛学会に、当院のスタッフとともに参加してまいりました。
当日はクリニックを休診とさせていただき、受診を希望されていた患者様にはご迷惑をおかけしました。
今回は学会参加のご報告とともに、当院が日頃から大切にしている頭痛診療について、少しお話ししたいと思います。
頭痛は、周囲から理解されにくい病気です
頭痛診療を行っていて感じるのは、頭痛のつらさが周囲の人に伝わりにくいということです。
頭痛は、骨折や出血のように、目に見える形で異常が現れるとは限りません。
そのため、職場や学校、場合によっては家族からも、そのつらさを十分に理解してもらえないことがあります。
特に片頭痛では、強い痛みだけでなく、吐き気や光・音への過敏症状を伴い、日常生活に大きな支障をきたすことも珍しくありません。
「たかが頭痛」と思われがちですが、決して軽く考えてよい病気ではありません。
MRIで異常がなければ、それで終わり?
頭痛を訴えて医療機関を受診し、MRIなどの検査を受けたものの、
「脳には異常がありません。痛み止めを出しておきますので、様子を見てください」
と言われた経験のある方もいらっしゃると思います。
もちろん、脳出血や脳腫瘍などの重大な病気がないことを確認するのは非常に重要です。
しかし、MRIで異常がないことと、頭痛の原因がないことは別の話です。
片頭痛や緊張型頭痛などは、一般的なMRI検査で明らかな異常が認められないことが多い病気です。
そのため、画像検査だけでなく、頭痛の性質、頻度、持続時間、随伴症状などを詳しく確認し、診断する必要があります。
当院では、画像検査で重大な異常が見つからなかった場合でも、そこで診療を終わらせるのではなく、頭痛そのものに対する治療を考えていくことを大切にしています。
頭痛の治療は進歩しています
以前は、頭痛に対して使用できる薬剤も限られていました。
しかし、現在では片頭痛に対する治療の選択肢が大きく広がっています。
急性期治療では、従来の鎮痛薬やトリプタン製剤に加え、ラスミジタン(レイボー)やリメゲパント(ナルティーク)なども選択肢となっています。
また、頭痛の頻度が多い方に対しては、従来の内服予防薬のほか、CGRP関連抗体製剤などによる予防治療も行われています。
ただし、すべての患者様に新しい薬が必要というわけではありません。
頭痛の頻度や重症度、生活への影響、薬剤の副作用、経済的な負担などを総合的に考慮し、それぞれの患者様に適した治療を選択することが重要です。
医師だけでなく、スタッフ全員で頭痛への理解を深める
今回、医師だけでなくスタッフも一緒に学会に参加したのには理由があります。
頭痛診療は、医師が診察して薬を処方するだけで完結するものではないと考えているからです。
頭痛で受診される患者様の中には、長年症状に悩まされ、複数の医療機関を受診されている方もいらっしゃいます。
そうした患者様に安心して受診していただくためには、受付、看護師、検査スタッフも含めて、頭痛という病気への理解を深めることが大切です。
学会で得られた知識をスタッフ間で共有し、日々の診療に生かしていきたいと考えています。
最後に
頭痛は非常にありふれた症状ですが、その原因や治療法は決して単純ではありません。
また、同じ片頭痛という診断であっても、症状の現れ方や適した治療法は患者様によって異なります。
私自身、日々多くの頭痛患者様を診察していますが、頭痛診療の難しさと奥深さを感じることも少なくありません。
だからこそ、新しい知識を積極的に取り入れながら、一人ひとりの患者様に合った治療を考えていくことが重要だと思っています。
「MRIで異常がないから、もう治療法はない」
決してそのようなことはありません。
頭痛によって日常生活に支障が出ている方、長年の頭痛を何とかしたいと考えている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
今後も、地域の皆様に安心して受診していただける頭痛診療を目指してまいります。