片頭痛の注射薬は満足度が高い?実際の診療経験から
- 2024年4月16日
- 頭痛
皆様、こんにちは。
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。

今回は、片頭痛の予防治療に使用する注射薬「CGRP関連製剤」について、実際の診療経験を交えながらお話ししたいと思います。
結論から申し上げますと、私自身、非常に優秀な治療薬であると感じています。
もちろん、すべての患者さんに効果があるわけではありませんが、長年片頭痛に悩まされてきた方にとって、大きな助けとなる治療法の一つです。
片頭痛の注射薬「CGRP関連製剤」とは?


CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、片頭痛の発症に深く関わっている物質です。
CGRP関連製剤は、この物質やその受容体の働きを抑えることで、片頭痛の発作を起こりにくくする薬です。
従来の片頭痛予防薬とは異なり、片頭痛のメカニズムを標的として開発されたことが大きな特徴です。
代表的な注射薬には、エムガルティ、アジョビ、アイモビーグなどがあります。
薬剤によって投与方法は異なりますが、月1回程度の注射で治療を続けられるものが多く、毎日薬を飲む必要がないこともメリットです。
実際に使用した患者さんの満足度は?

当院でも、これまで多くの片頭痛患者さんにCGRP関連製剤を使用してきました。
私の診療経験では、治療を継続されている患者さんの満足度は非常に高いと感じています。
以前の記事では、おおよそ8〜9割程度の患者さんが満足されているという印象をお伝えしました。
これは当院での診療経験に基づく実感であり、厳密な統計調査による数値ではありませんが、それだけ良い反応を示す患者さんが多いということです。
特に、
・片頭痛の回数が明らかに減った
・頭痛が起きても以前より軽くなった
・鎮痛薬を飲む回数が減った
・仕事や日常生活への支障が少なくなった
といった変化を実感される患者さんがいらっしゃいます。
長年片頭痛に悩まされてきた方が、頭痛をあまり気にせず生活できるようになることは、非常に大きな意味があると思います。
すべての患者さんに効くわけではありません
一方で、効果には個人差があります。
注射を始めても十分な改善が得られない方もいらっしゃいますし、頭痛が完全になくなるわけでもありません。
また、効果が現れるまでに時間がかかる場合もあります。
一般的には、頭痛の回数や程度、鎮痛薬の使用回数などを確認しながら、一定期間治療を継続して効果を判断します。
私自身、非常に優秀な薬剤だと思っていますが、決して万能な治療薬ではないという点も大切です。
副作用は少ないのでしょうか?

CGRP関連製剤は、従来の予防薬と比較して、比較的副作用が少なく、継続しやすい薬剤です。
ただし、副作用がまったくないわけではありません。
注射した部分の痛みや赤み、薬剤によっては便秘などがみられることがあります。また、まれにアレルギー反応などが起こる可能性もあります。
患者さんの持病や体調なども確認しながら、適切に使用することが重要です。
一番の難点は、やはり治療費です
CGRP関連製剤の大きな問題は、薬価が高いことです。
健康保険が適用される治療ですが、3割負担でも薬剤費だけで月1万円以上になる場合があり、使用する薬剤や投与方法によって金額は異なります。
長期間継続する治療ですので、経済的な負担は決して小さくありません。
私としては、非常に優秀な治療薬だからこそ、もう少し価格が下がり、多くの患者さんが利用しやすくなればと感じています。
もちろん、従来の内服薬でも十分な効果が得られる患者さんはいらっしゃいます。
治療効果だけでなく、患者さんの経済的な状況や生活スタイルも考慮しながら、無理なく継続できる治療を選ぶことが大切だと考えています。
注射薬以外にも新しい治療法が登場しています
近年、片頭痛の予防治療はさらに進歩しています。
これまでの注射薬に加えて、CGRPの働きを抑える新しい飲み薬も登場し、治療の選択肢が増えてきました。
注射薬が適している方もいれば、内服薬の方が生活に合っている方もいらっしゃいます。
新しい内服薬を含めた片頭痛の予防治療については、こちらの記事↓でも詳しく解説しています。
片頭痛の予防治療はここまで進歩しました!最新の治療薬について
長年の片頭痛でお悩みの方へ
片頭痛は、単なる頭痛ではありません。
頭痛のために仕事を休んだり、家事や育児に支障が出たり、休日を楽しめなくなったりすることもあります。
私自身、CGRP関連製剤が登場したことで、片頭痛の予防治療は大きく進歩したと感じています。
以前は十分な効果が得られなかった患者さんにも、新たな治療の選択肢ができました。
ただし、すべての患者さんに注射薬が必要というわけではありません。
頭痛の頻度や重症度、これまでの治療経過、費用面などを総合的に判断することが大切です。
「片頭痛だから仕方がない」と長年我慢されている方は、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
当院では、患者さん一人ひとりの症状やご希望に応じて、適切な片頭痛治療をご提案しています。