片頭痛の予防治療はここまで進歩しました!最新の治療薬について|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

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片頭痛の予防治療はここまで進歩しました!最新の治療薬について|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

片頭痛の予防治療はここまで進歩しました!最新の治療薬について

皆様、こんにちは。

すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。

今回は、片頭痛の予防治療についてお話ししたいと思います。

当院には日々多くの頭痛患者さんが来院されますが、片頭痛で長年悩まれている方も少なくありません。

「頭痛が起きたら痛み止めを飲むしかない」

「月に何度も頭痛が起こるけれど、昔からだから仕方ない」

「薬を飲んでも、なかなか改善しない」

このようなお話を伺うこともよくあります。

しかし、片頭痛の治療はここ数年で大きく進歩しています。

以前から頭痛が起こったときに薬を飲む治療に加え、頭痛そのものを起こりにくくする「予防治療」も行われてきましたが、現在ではその選択肢が大きく増えています。

特に、CGRPという片頭痛に関係する物質を標的とした新しい治療薬が登場したことで、これまで十分な効果が得られなかった患者さんにも、さまざまな治療方法を提案できるようになりました。

今回は、従来から使用されている予防薬から最新の治療薬まで、できるだけわかりやすくご紹介します。

そもそも片頭痛の予防治療とは?

片頭痛の治療には、大きく分けて2つの方法があります。

① 頭痛が起こったときに薬を飲む「急性期治療」

ロキソニンなどの鎮痛薬やトリプタン製剤、レイボー、ナルティークなどがこれにあたります。

② 頭痛そのものを起こりにくくする「予防治療」

こちらは、頭痛が起こっていないときにも薬を使用し、片頭痛の回数や程度を減らすことを目的とした治療です。

例えば、月に10日頭痛が起こっていた方が、予防治療によって月に3〜4日程度に減ることもあります。

もちろん効果には個人差がありますが、頭痛の回数が減るだけでも、日常生活はかなり楽になると思います。

また、頭痛薬を頻繁に使用している方では、薬剤の使用過多による頭痛(MOH)を防ぐという意味でも、予防治療は重要です。

どのくらい頭痛があれば予防治療を始めるの?

一般的には、片頭痛発作が月に2回以上ある場合や、日常生活に支障をきたす頭痛が月に3日以上ある場合などに、予防治療を検討します。

ただし、単純に頭痛の回数だけで決めるわけではありません。

例えば、月に2回しか頭痛が起こらなくても、そのたびに寝込んでしまい、仕事を休まなければならない方もいます。

反対に、頭痛の回数がある程度多くても、比較的軽症で日常生活への影響が少ない方もいます。

私自身は、頭痛の回数だけでなく、患者さんがどの程度困っているかを重視しています。

頭痛によって仕事や家事、学校生活などに支障が出ている場合には、予防治療を考えてもよいと思います。

 従来から使用されている片頭痛予防薬

片頭痛の予防治療には、以前からさまざまな飲み薬が使用されてきました。

代表的なものとして、以下の薬があります。

  • ミグシス(ロメリジン):カルシウム拮抗薬

  • インデラル(プロプラノロール):β遮断薬

  • デパケン(バルプロ酸):抗てんかん薬

  • トリプタノール(アミトリプチリン):三環系抗うつ薬

少し難しい名前が並びますが、これらはいずれも片頭痛を起こりにくくする目的で使用される薬です。

もともと片頭痛以外の病気にも使用されている薬ですが、片頭痛の予防にも効果があることがわかっています。

例えば、高血圧や動悸がある方ではインデラルが適している場合があります。

また、睡眠の問題や慢性的な痛みなどを伴う方では、トリプタノールが選択肢になることもあります。

ただし、眠気やふらつき、血圧低下、体重増加など、それぞれの薬に注意すべき副作用があります。

妊娠中や妊娠の可能性がある方では、使用できない薬もあります。

従来の予防薬でも十分な効果が得られる方は多く、現在でも大切な治療方法の一つです。

 片頭痛治療を大きく変えたCGRP関連抗体薬

片頭痛治療が大きく進歩したきっかけの一つが、2021年から日本でも使用できるようになった「CGRP関連抗体薬」です。

CGRPとは、片頭痛の発症に深く関係している物質の一つです。

簡単にいうと、片頭痛が起こる仕組みに関わっているCGRPの働きを抑えることで、頭痛を起こりにくくする薬です。

従来の予防薬とは異なり、片頭痛の仕組みを直接の標的として開発されたことが大きな特徴です。

現在、日本で使用されている代表的な注射薬は3種類あります。

エムガルティ(ガルカネズマブ)

原則として月に1回注射する薬です。

初回は2本分を投与し、その後は月1回、1本ずつ投与します。

アジョビ(フレマネズマブ)

4週間に1回、または12週間に1回の投与方法があります。

12週間に1回の場合は、1回に3本分を投与します。

アイモビーグ(エレヌマブ)

原則として4週間に1回注射する薬です。

エムガルティやアジョビがCGRPという物質そのものを標的としているのに対し、アイモビーグはCGRPが作用する受容体を標的としています。

いずれも片頭痛の回数を減らす効果が期待でき、従来の予防薬で十分な改善が得られなかった方にも有効な場合があります。

また、従来の飲み薬と比較して、全身的な副作用が比較的少ないことも特徴です。

ただし、注射した部分の痛みや腫れ、便秘などの副作用が出ることもあります。

また、従来の予防薬に比べて費用が高くなることにも注意が必要です。

注射だけでなく、飲むCGRP関連薬も登場しました

さらに最近では、CGRPの働きを抑える飲み薬も登場しています。

これらは「ゲパント系薬剤」と呼ばれています。

これまでCGRP関連薬というと注射薬が中心でしたが、現在では飲み薬でも治療できるようになりました。

代表的なものとして、ナルティークとアクイプタがあります。

ナルティーク(リメゲパント)

2025年12月に発売された薬です。

この薬の大きな特徴は、頭痛が起こったときの治療にも、頭痛を予防する治療にも使用できるという点です。

予防治療として使用する場合は、通常75mgを1日おきに内服します。

つまり、頭痛が起こったときに使用するだけでなく、定期的に内服することで片頭痛を起こりにくくする効果も期待できます。

ただし、急性期治療と予防治療では飲み方が異なり、1日に使用できる量にも制限があります。

アクイプタ(アトゲパント)

2026年4月に発売された薬です。

こちらは、片頭痛を予防するための飲み薬です。

通常は1日1回内服します。

ナルティークとは異なり、日本では片頭痛の予防治療を目的として使用します。

毎日飲む必要はありますが、注射をせずにCGRPを標的とした予防治療を受けられることは、大きなメリットだと思います。

なお、これらの薬でも吐き気や便秘などの副作用が起こる場合があります。また、ほかの薬との飲み合わせにも注意が必要です。

 2026年、片頭痛予防治療の考え方も変わってきました

ここは、今回の記事で特にお伝えしたい部分です。

以前は、まず従来の飲み薬を使用し、それでも十分な効果が得られない場合に、CGRP関連抗体薬を検討するという流れが一般的でした。

しかし、CGRP関連薬の有効性や安全性に関するデータが蓄積され、治療の考え方も変わってきています。

2026年2月、日本頭痛学会は、CGRP関連抗体薬を成人の片頭痛予防治療の第一選択肢に含めることを推奨する方針を発表しました。

つまり、従来の予防薬が効かなかった方だけでなく、最初からCGRP関連薬を治療の選択肢として考える時代になってきたということです。

もちろん、新しい薬が必ずしもすべての患者さんに最適というわけではありません。

従来の飲み薬で十分に改善する方も多くいます。

また、実際の処方では、薬剤ごとの適応や使用条件、保険診療上の取り扱いなどを確認する必要があります。

費用や通院回数、注射への抵抗感なども含めて、患者さんに合った治療を選ぶことが大切です。

実際にはどのように予防薬を使い分けるの?

当院では、頭痛の回数や重症度、これまでの治療経過、患者さんの希望などを考慮して予防薬を選択しています。

例えば、比較的軽症で従来の飲み薬がよく効いている方であれば、そのまま治療を続けることもあります。

一方で、頭痛の回数が多く、仕事や日常生活に大きな支障が出ている方では、CGRP関連薬を積極的に検討することもあります。

また、注射が苦手な方では、ナルティークやアクイプタなどの飲み薬が選択肢になります。

反対に、毎日薬を飲むことが負担になる方では、月1回程度の注射薬が適している場合もあります。

大切なのは、新しい薬を使うこと自体ではなく、その患者さんに合った治療を選ぶことです。

特にCGRP関連薬は、従来の予防薬と比較して薬価が高く、患者さんの経済的な負担が大きくなる場合もあります。

そのため、治療効果や副作用だけでなく、患者さんの経済的な状況や希望なども考慮し、無理なく継続できる治療を一緒に考えていくことが大切だと思っています。

予防治療はいつまで続けるの?

予防治療を始めたからといって、すぐに効果が出るとは限りません。

薬によって違いはありますが、ある程度の期間使用し、頭痛の回数や程度がどのくらい改善したかを確認します。

特にCGRP関連薬では、治療開始から3か月程度を一つの目安として効果を判断することがあります。

また、予防治療によって頭痛が十分に改善し、安定した状態が続いた場合には、薬の減量や休薬を検討することもあります。

ただし、薬の種類やそれまでの頭痛の経過によって判断は異なります。

片頭痛の予防治療は、必ずしも一生続けなければならないものではありません。

患者さんの状態をみながら、治療を続けるかどうかを判断していきます。

生活習慣の見直しも大切です

薬による予防治療と同じように、生活習慣を整えることも重要です。

片頭痛は、睡眠不足や睡眠リズムの乱れ、食事を抜くこと、脱水、ストレスなどがきっかけで起こる場合があります。

また、頭痛が起こった日や薬を飲んだ日を記録しておくと、治療の効果を判断するうえでも役立ちます。

ただし、生活習慣を整えれば、すべての片頭痛が改善するわけではありません。

規則正しい生活を心がけていても頭痛が続く方は少なくありませんので、そのような場合には適切な薬物治療を検討することが大切です。

最後に

片頭痛の予防治療は、ここ数年で大きく進歩しました。

従来の飲み薬に加え、エムガルティ、アジョビ、アイモビーグなどの注射薬、さらにナルティーク、アクイプタといった飲み薬も登場しています。

以前であれば、なかなか頭痛が改善せず、痛み止めを繰り返し使用するしかなかった患者さんでも、現在はさまざまな治療方法を検討できるようになりました。

私自身、日々頭痛診療を行っていて感じるのは、片頭痛を長年我慢している方が、まだまだ多いということです。

「頭痛持ちだから仕方ない」

「昔からだから治らない」

そう思っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、現在は以前と比べて治療の選択肢が大きく増えています。

頭痛が月に何度も起こる、薬を飲んでも改善しない、頭痛のために仕事や家事に支障が出ている。

そのような場合には、痛み止めだけで対応するのではなく、予防治療について一度考えてみてもよいと思います。

当院では、頭痛専門医として、従来の予防薬から新しいCGRP関連薬まで、患者さん一人ひとりに合った治療をご提案しています。

片頭痛だからと諦めず、頭痛でお困りの方はどうぞお気軽にご相談ください。