皆様、こんにちは。

すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。

今回は、片頭痛の強発作について解説いたします。

片頭痛の強発作とは？

片頭痛の強発作とは、正式名称は、片頭痛の発作重積（ほっさじゅうせき）といいます。

もともと片頭痛がある方が、普段の片頭痛とは違い、我慢できないくらいの激しい頭痛をきたしてしまうことをいいます。

年に数回起こる方もいれば、数年に1回程度の方もいます。

普段の片頭痛も、それなりにはきついのですが、片頭痛の強発作では、救急車を呼ぶくらい痛むこともザラにあります。

このような強発作をきたす方は、もともと片頭痛の治療を行っていることも多いのですが、片頭痛薬を飲んでも効果が乏しく、そのままひどい頭痛に苦しんでしまいます。

片頭痛の強発作の治療

片頭痛の強発作に有効な治療は、以下となっております。

高濃度酸素を20分程度吸入

高濃度酸素は、片頭痛発作に有効とされており、速やかに症状が緩和します。

イミグラン（スマトリプタン）の投与

イミグラン（スマトリプタン）とは、片頭痛の時の特効薬とされる薬です。通常は飲み薬ですが、強発作の時にはなかなか改善しないことも多く、嘔吐などある場合は薬も吐いてしまいます。

強発作には、イミグラン（スマトリプタン）の注射が最も有効とされています。

注射の針は非常に細く、痛みはあまり感じません。

点滴による補液

嘔吐を繰り返している場合は、脱水の可能性もあるので、点滴による補液を行います。

ステロイド投与

ステロイドとは、副腎皮質ホルモンで、多くの炎症をきたす疾患に用いられます。

ステロイドの片頭痛の強発作への有効率ははっきりとは示されていませんが、ある程度効果がある印象です。

ステロイドの短期間の投与なら副作用のリスクは非常に少ないとされています。

とにかく患者さんは痛みを何とかしてほしいので、効果がある可能性がある治療は行ってあげたいところです。

 

これら⬆️の治療を行うことで、多くの方は、何とかなるレベルまで改善します。

群発頭痛の強発作にも、全く同様の治療を行います。

群発頭痛については、こちらをご参照ください。

当院でも、時々、片頭痛の強発作の方がいらっしゃいます。

酸素ボンベやイミグラン注射薬を常備しており、上記の治療を行うことが可能です。

さいごに

普段の片頭痛の治療がうまくできていない場合に、強発作は起こることが多いので、しっかり片頭痛の予防治療を行うことが重要です。