腰痛は日本人の4人に1人が発症すると言われています。腰痛を引き起こす疾患にはさまざまなものがありますがCTやMRIなどの画像診断で原因が明らかになるものは約15％と少なく、画像診断では原因がわからない非特異的腰痛が約85％と多数を占めています。当院では、脊椎外科専門医が、しびれだけでなく腰痛の診断・治療も行います。受診当日にCTもしくはMRIを撮影可能ですので、腰痛でお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

いわゆる「ぎっくり腰」のことで、重いものを持ったり、急な動作によって筋肉に炎症が起こり、突然腰に痛みが走り、場合によっては動けなくなってしまう病気です。安静と消炎鎮痛薬で治療します。コルセットなどを着用することもあります。6週間以内に90％の人は改善しますが、椎間板ヘルニアなどが原因の場合は、根本的な治療が必要になることがあります。

3ヶ月以上経過する腰痛を慢性腰痛といいます。画像診断では原因がわからないことも多く、不安やうつ病、ストレスなどで脳が痛みを感じてしまうこともあります。このタイプの腰痛は、長引くことが多く、場合によってはご自身の周囲の環境を変えていただくことも必要になることもあります。また多少の痛みがあっても生活の制限をあえてせず、運動を積極的に取り入れると改善しやすいといわれています。症状が強い場合は、数種類の薬剤を組み合わせたり、漢方薬を使用したりします。

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板は、骨と骨のクッションの役割をしています。腰椎椎間板ヘルニアでは、このクッションが、本来あるべきところに収まらず、神経側に飛び出してしまい、神経が圧迫されて、足や腰に強いしびれや痛みが起こります。通常は足のしびれ・痛みを伴うことが多いのですが、腰痛のみの場合もあります。この腰痛は急激に発症し、ぎっくり腰との判断がつきづらいことがあります。レントゲンでは、椎間板ヘルニアは写らないので、診断できません。確実な診断にはMRIを取る必要があります。CTでもある程度は診断ができるので、痛みが強く、MRIの撮影の間（20分程度）動かず横になっているのがつらいような時は、短時間で撮影できるCTで代用することがあります。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は、腰の脊柱管という神経の通り道が狭くなり、中の腰の神経が圧迫される疾患です。通常は足やお尻にしびれや痛みが生じることが多いですが、腰痛のみで発症することがあります。診断には、ヘルニアと同様MRIが必須となっております。