CTとMRIって何が違うの?|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

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CTとMRIって何が違うの?|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

CTとMRIって何が違うの?

皆さま。こんにちは。

すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。

今回は、CTとMRIの違いについて簡単に説明したいと思います。

構造上の話であったり、理論的な話は、ここでは省きます。

というか、わたしもわかりません😓

ここでは、患者さん目線で、両者のいいところ、悪いところ、体の部位での使い分けなどを、実際の医療現場ではどのようにしているか単純明快にお話いたします。

 

まずCTからお話いたします。

 

😁CTのいいところ😁

 

撮影時間が短い

CTは、MRIと比べて撮影時間が圧倒的に短いです。

ということは、患者さんの待ち時間も少なくなります。

そうすると、1日のうちに撮れる枠が多くなるので、予約も取りやすくなります。

大きい病院でも、CTは比較的すぐ撮れることが多いです。

また、長めの検査が苦手な方や閉所恐怖症の方でも、問題なく撮れることが多いです。

 

骨がよく見える

MRIでも骨はよく見えますが、CTはさらに骨がよく見えます。

レントゲンと比べたら雲泥の差です。

骨折が疑われる時などは、CTは非常に有用です。

 

費用が安い

あくまでMRIと比べてですが、費用は少なくすみます。

おおよさの目安として、

3割負担の方ですと、CTは6000〜8000円です(MRIなら8000〜10000円)

1割負担の方ですと、CTは2000円〜2700円です(MRIなら2700円〜3400円)

 

 

😢CTのよくないところ😢

 

被ばくリスクがある

放射線を浴びることを、被ばくといいます。

被ばくは、発がんリスクを高めます。

CT検査では放射線を使用するため、被ばくは避けられません。

ただし、極端に短時間で複数回を行わなければ基本的には心配いりません。

さらに最近のCTは、性能がアップしていて、被ばく線量は、以前のものと比べると格段に減ってきています。

健康被害を誘発する放射線の量は、100以上と言われています。

100以下の被ばくでは健康被害は出ないとされています。

(※放射線量の単位は見づらくなるので省略してます。mSvという単位です)

CT検査で受ける被ばく線量は、撮影部位や撮影方法によって異なりますが、1回あたり5〜20程度です。

つまり、CTを毎日5回〜20回ずつ撮りつづけない限り、健康被害は出ないとされています。

ですので、通常の検査を受ける場合は、被ばくは考えなくていいと思います。

※ただし妊婦さんや赤ちゃんは、なるべく撮らない方が無難です。

 

MRIと比べると情報量が少ない

上に書いたように、骨に強いといったCTならではの強みはありますが、

基本的には、MRIの方が、いろいろな部分を詳しく調べられます。

多少語弊はありますが、

CTの上位互換がMRI

といってもあながち間違いではないです。

 

😁MRIのいいところ😄

 

情報量が多い

得られる情報量の多さが、MRIの最大の利点です。

例外はありますが、基本的にはMRIの方が、CTより詳しく調べることができます。

特に、頭や脊髄の詳しい検査となりますと、MRIが効果を発揮します。

 

被ばくしない

MRIは、磁気の力を利用して撮影しますので、放射線を使用しません。

そのため

いっさい放射線による被ばくはしません。

CTの被ばく量も気にするほどではありませんが、いっさい被ばくしないということは、メリットでしょう。

※ただし、妊婦さんへのMRI検査は、現時点では推奨されておりません。

 

😢MRIのよくないところ😢

 

撮影時間がCTより長い

撮影時間が、最低でも15分くらい、最長ですと40分くらいかかることもあり、これが中々のネックです。

ただ最近のMRIは、撮影時間が大幅に短縮されてきております。

それでもCTと比べると時間がかかります。

撮影時間が長いということは、

病院が1日に撮れる回数が限られてしまいます。

そうすると、予約がなかなか取れないという事態が生じます。

これがMRIがCTに比べて予約が取りづらい理由です。

 

絶対に撮れない人がいる

MRIには、CTと違って、絶対に撮ってはいけない人が存在します。

以下に該当する方は、MRIを撮ることができません。

磁気によって機械が不具合を起こしたり、機械自体が引っ張られたりして、命に関わる事態が起こる可能性があるからです。

  1. 心臓ペースメーカー
  2. 20年以上前の脳動脈クリップ(留置した年・手術を受けた病院が不明な場合も受けられません) 
  3. 体内埋め込み装置(ICD・人工内耳・神経刺激装置)
  4. 可動型義眼

実際の診療で1番多く遭遇するのは、心臓ペースメーカーがある方です。

MRIが取れない場合は、CTで代用することが多いです。

※最近のペースメーカーは、MRI可能なものもあるようです。

 

撮影中の動きに弱い

MRIは、最低15分程度、長い時では30分以上の撮影時間となります。

この撮影中に動いてしまうと、正確な画像が取れません。

非常にぼやけた画像になることもあり、正確な診断ができなくなります。

だから撮影中はじっとしていなければなりません。

もちろん、呼吸や寝てしまうくらい動きなら問題ありません。

ほとんどの方は問題なく撮れますが、お子さんであったり、痛みが強くてじっとしていられない方などには、短時間で撮影できるCTで代用することもあります。

 

音がうるさい

MRIは撮影時に、カンカンカンという音が耳元でします。

基本、耳栓をするので、気にならない方がほとんどですが、音に敏感な方ですと、不快かもしれません。

当院のMRIは、撮影中に音楽を聞けます(現在準備中です。しばしお待ちを)。

 

少し費用が高い

CTと比べると、若干費用は高いです。

参考費用を載せておきます

3割負担の方ですと、MRI:8000〜10000円 (CT:6000〜8000円)

1割負担の方ですと、MRI:2700円〜3400円 (CT:2000円〜2700円) 

 

部位別 

CTとMRIどっちを撮った方がいい?

 

脳は、基本はMRIの方がしっかり調べられます。

ただし、怖い病気がないことを、てっとり早く知りたい場合は、CTでも十分調べます。

 

せぼね(頚椎、胸椎、腰椎)

せぼねも、内部に脊髄があるため、基本はMRIの方が詳しくわかります。

ただし骨もしっかり調べる必要がある時も多く、CTも併用することが多いです。

 

肺に関しては、CTがMRIよりも優れています。

詳細は省きますが、肺は空気が多いので、撮影条件の上でCTの方が有利とされています。

肺を詳しく調べたい場合はCTを薦めます。

 

お腹

お腹(腹部)も、肺ほどではないですが、CTの方が診断しやすいという先生が多いようです。

が、もちろんMRIでもしっかり調べられます。

 

骨はCTの方がMRIよりも優れています。

骨折の診断はCTの方がいいでしょう。

 

肩、膝、股関節

肩、膝、股などの関節は、骨だけでなく、靭帯、筋肉から成り立っています。

関節を痛める時は、骨よりも靭帯や軟骨を痛めることが多いです。

靭帯や軟骨の具合を調べるには、MRIが圧倒的に優っています。

『骨折はなさそうだけど、靭帯を痛めた可能性が高そうだな』

というような場合はMRIを選ぶ方がよいです。

まとめ

以上、簡潔ながら、CTとMRIの違い、使い分けについてお話させていただきました。

実際に診療現場では全て型通りに当てはまるわけではありませんが、

わたしども医療者側が、おおよそこのような基準で両者を使い分けることが多いとご理解いただければ幸いです。