首や腰は手術しない方がいいの?
皆様、こんにちは。
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。
今回は、首や腰の手術の適応についてお話したいと思います。
2023年2月にクリニックを開業いたしましたが、現在も脊椎手術に関しては、自分の技量内で対応できるものは執刀させていただいております。
もちろんクリニックでは手術はできないので、河北総合病院の手術室をお借りして、手術を行なっております。
開業医で、かつ手術を継続するスタイルというのは、おそらくまだ少数派であるかと思います(アメリカなどでは一般的のようです)。
あくまで一般論ですが、
★開業医の先生の治療スタンス → なるべくリハビリや内服薬のような保存的に治療したい。手術はリスクもあるのでできるだけやらない方がいい。
★病院勤務の先生の治療スタンス → 手術はリスクもあるが、改善率は一番高いので、なるべく手術で治療したい。
このようになりがちです。
どちらが悪いというわけでなく、両者の言い分ももちろんわかります。
自分も病院勤務医だったので、技術が一定レベルに到達してからは、手術で治してあげることが患者さんにとって一番還元できる方法と考えておりました。
現在、開業してみて、あらためて中立な立場で、手術適応について考えるようになりました。
開業医としてぎりぎりまで保存的治療で粘るけれども、手術をしなければいけない段階にも関わらず、漫然と保存的治療を続けることは防がなくていけません。
勤務医からそのスタンスでやってきたつもりですが、開業してからはさらに中立な立場で考えることができるようになったかなと思います。
手術が必要ない状態なのに手術をするのは論外ですが、患者さんにとって必要な手術でも病状を悪化させてしまうと外科医は多大な後悔の念と責任を生涯負うことになります。
しかし内服薬などの保存的治療を漫然と続けた結果、病状が悪化し手術しても手遅れな状態にしてしまっても医師はその責任を負うことはほとんどありません。
それも病状悪化に関与している点においては、同様に責任が発生すべきだと思っております。
ですので、両方に責任があることを重々感じて日々の診療をしてまいりたいと考えております。
もし手術についてお悩みの方については、どちらかに偏らず中立な意見をさせていただきますので、ご相談ください。
※上記ご相談は 脊椎手術に限ります。脳疾患は緊急性や合併症率が高いものが多いので、緊急の場合は主治医の方針を最優先してください。