顔の麻痺をきたす疾患はこの3つ|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

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顔の麻痺をきたす疾患はこの3つ|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

顔の麻痺をきたす疾患はこの3つ

皆様、こんにちは。

すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。

今回は、顔の左右どちらかが麻痺してします疾患3つについて解説します。

顔面神経麻痺とは?

顔面神経は、顔を動かす神経です。

顔が動かしにくくなることを顔面神経麻痺といいます。

あくまで麻痺(動かしづらくなること)であって、痛みは伴いません。

痛みを伴うものは顔面神経痛といわれがちですが、正確には三叉神経痛と言い、別の病態です。

顔面神経麻痺の症状

顔面神経麻痺で最初に自覚することが多いのは、飲み物が口からこぼれるといった症状が多いです。

他には以下の症状を伴うことが多いとされています。

・片方の眉毛がさがってきた

・片方の目が、しっかり閉じれなくなった

・うまく口が動かせなくて話しづらくなった

・顔半分が曲がってきた

・舌がしびれたり、味がわからなくなった

顔面神経は、脳から出る神経の一つで、顔面と一部の舌に分布します。

ですので、顔の麻痺だけでなく味覚がおかしくなるような症状も出ることがあります

顔面神経麻痺をきたす疾患

ベル麻痺

突然の顔面神経麻痺をきたすものとして最も多いのが、このベル麻痺です。

上の絵の左側のように顔の半分が曲がってしまいます。

別名を、特発性顔面神経麻痺ともいいます。

特発性とは、原因が特定できないという意味です。

原因不明の顔面神経麻痺を意味しますが、現在ではウイルスが顔面神経に悪さをして起こるという説が有力となっています。

治療は、抗ウイルス薬、ステロイド、ビタミンB12の内服を行います。

ほとんどの方が、数ヶ月以内に完全に回復しますが、ごく稀に顔の麻痺が少し残ってしまう方もいます。

ハント症候群

ハント症候群は、上記の顔面神経麻痺に、耳の痛み、めまい、耳鳴り、難聴などの耳の症状を伴う疾患です。

画像はマークハント選手です。全く病気とは関係ありません。

単にハント症候群という場合もありますが、ラムゼイ・ハント症候群という場合もあります。

顔面神経は、耳の奥に存在しており、その部分や耳周囲に帯状疱疹ウイルスが潜伏するとハント症候群を引き起こします。

 

ハント症候群は、ベル麻痺よりも重症で緊急を要する疾患で、早めの治療が必要です。

治療はベル麻痺と同様、抗ウイルス薬とステロイド投与ですが、ベル麻痺よりも投与量が多いため入院での治療になることも多いです。

専門科は耳鼻科になりますので、顔面神経麻痺に耳の症状やめまいを伴う場合は、すぐに入院施設がある総合病院の耳鼻科を受診してください。

脳梗塞

脳梗塞では、顔と手足の麻痺を同時にきたすことが多く、顔の麻痺だけの場合は稀ですが、それでも起こることがあります。

顔面神経のおおもとである脳幹(のうかん)であったり、顔だけに向かう脳細胞のみにドンピシャで脳梗塞が起こると、手足の麻痺を伴わない顔面神経麻痺が起こります。

正直、見た感じや診察しただけではベル麻痺との区別は全くつかないので、MRIを撮らないとわかりません。

【脳幹梗塞のMRI】

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まとめ

基本的には、日常的な診療でお目にかかるのは上記3つの疾患がほとんどだと思います。

あとは、外傷によって直接顔面神経を損傷してしまい、顔面神経麻痺が起こることがあります。

また、非常に頻度が低いですが、両側性の顔面神経麻痺をきたすものとして、ライム病、サイルコイドーシス、ギランバレー症候群などがあるようです。

これらの疾患による顔面神経麻痺は、私自身臨床で遭遇したことがないので、詳しい解説は控えさせていただきたいと思いますので、ご興味がある方は検索してみてください。