頭部打撲、むちうち症は当院にお任せください
皆様、こんにちは。
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。
頭を打ったらとても心配ですよね。
放っておいてもいいかどうかの判断は、中々ご自身では難しいかと思います。
当院では、心配を取り除くために、できるだけ早くCT検査(場合によってはMRI検査)を行い、さらに神経学的な診察を行い、放っておいても大丈夫かどうかの判断を行います。
また、打撲で頭が強く揺れると首がガクンとなり、首が痛くなることがあります。
この状態を、むちうち症といいますが、むち打ち症に対しても当院では迅速に対処いたします。
院長は、脳神経外科と脊椎外科のどちらの専門医を持っていますので、安心してお任せください。
以下、『頭部打撲』と『むちうち症』についてお話いたします。
頭部打撲について
頭部打撲といっても、机などに軽くぶつけたものから、高所からの転落や交通事故のような激しいものまで、ピンキリとなっています。
当然後者のような重傷のものは、救急車で高度医療機関に搬送されるべきですので、ここでは一般的な軽症〜中等度までの頭部打撲についてお話してまいります。
まず、転倒で頭をぶつけたり頭を物にぶつけたり殴られたなどで、意識を失ったような場合は、要注意です。
意識を失うほどの打撲ですと、
血管が切れて脳に血が貯まってしまう急性硬膜下血腫・急性硬膜外血腫
脳自体が損傷を受けてしまう脳挫傷(のうざしょう)
などの可能性があります
その場合は一刻も早い治療が必要になるので、まずこれらの危険な状態でないかどうかを確認する必要があります。
できるだけ早く頭部検査(CTもしくはMRI)ができる施設へ受診してください。
できれば入院施設のある脳神経外科を受診することが望ましいです。
CTやMRIで、出血や脳挫傷が確認がなければ、まずは一安心です。
が、ここでも注意が必要です。
直後に問題がなくても、24時間以内は出血したり脳挫傷が現れたりする可能性があります。
ですので、強い頭部打撲の場合は、経過観察入院をさせて、24時間以内に再度検査をします。
脳しんとうとは?
出血や脳挫傷まで至らなかったとしても、そもそも頭部打撲で意識を失ったということは、『脳しんとう』といって、脳の機能が低下している状態です。
脳全体が揺さぶられたことで、脳は非常に不安定な状況となっています。
今後の対応次第で、改善にも悪化にも転びやすい状態なのです。
軽い脳しんとうであれば、安静にしていればほぼ問題なく回復します。
が、この状態で激しく動いてしまったり、再度頭部に打撃をくらってしまった場合は、脳のダメージが非常に強く出てしまうことがあります。
場合によっては、命に関わったり重大な後遺症が残ったりしてしまう事態が生じてしまいます。
ボクシングや格闘技でいうダウンという状態は、実は非常に危険な状態なのです。
また、さすがに今ではなくなりましたが、以前によく目にしたラグビーで気絶した選手にヤカンの水をかけて目を覚まさせるといった行為は、言語道断です。
意識を失うような頭部打撲の場合は、目が覚めてからも最低24時間は絶対に安静にすることが重要です。
ここでいう安静とは、体の安静はもちろんのこと、勉強や読書、スマホゲームなども禁止です。
24時間後、頭痛や吐き気、めまいなどの症状がなければ、基本的には元の生活に戻って大丈夫です。
症状があるうちは、安静をそのまま継続します。
症状が軽くなってきたら、少しずつ活動を上げていきます。
上記は成人の場合で、18歳以下の小児や青年の場合は、もう少し長く経過を見た方がいいとされております。
詳細は、脳しんとうのガイドラインをご参照ください。
意識を失わないまでの頭部打撲でも、しばらく頭痛や吐き気、めまいなどの症状が続くことがあります。
その場合も、症状があるうちは安静にするべきです。
本当に軽い頭部打撲で、受傷後も頭痛、吐き気、めまいなどの症状がなければ、基本的には自宅で様子を見ていいかと思います。
高齢者の頭部打撲の注意点
高齢者の頭部打撲については注意点があります。
70歳以上のご高齢の方が、頭のけがをした直後のCTやMRIなどでは異常が見つからず、1~2ヶ月してから徐々に頭痛、物忘れ、足を引きずるような麻痺が出現することがあります。
これを慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)といいます。
これは、頭部打撲後、目に見えないくらいの脳の細い血管からジワジワ出血することで生じますが、血液が少量では気づかれず、ある程度の量が貯まると症状が出現してきます。
初期の段階では、症状としては頭痛が多いとされています。
慢性硬膜下血腫と診断されても、きちんと対処すればよくなります。
頭部CTおよびMRIですぐに診断可能ですので、以前に頭を打った方で不安な方は、脳神経外科を受診してください。
むちうち症について
むちうち症とは、首が鞭(むち)のようにしなることで、頭が前後に振られることで起こる首の損傷です。
多くは交通事故で、後方から追突された際に起こります。
転倒や顔を殴られたり、物が上から落ちてきた時などでも起こり得ます。
正式名称は、頚椎捻挫(けいついねんざ)といいます。
文字通り、首の捻挫という意味です。
首(頚椎)は、筋肉、靭帯、骨、椎間板(骨と骨の間のクッション)、脊髄で形成されています。
むちうち症の多くは、首の筋肉の損傷で、外傷後しばらくしてから首の痛みが出たり、首が動かせなくなったりします。
むちうち症の程度が強く、椎間板、靭帯にまで損傷が及びと、より強い首の痛みの他、頭痛、吐き気、肩や肩甲骨の痛みなども伴うようになります。
いずれも治療としては、首の安静を保つことが大事で、症状に応じて内服薬を処方していきます。
重傷のむちうち症ですと、頚椎の骨折や脊髄損傷(せきずいそんしょう)などを来すことがあります。
頚椎の骨折に関しては、大きな骨折でなければ安静にして自然に骨がくっつくのを待ちますが、骨折の程度が大きいと、手術で固定することもあります。
脊髄損傷(せきずいそんしょう)は首の怪我で最も重篤な状態です。
脊髄は、頚椎の中を通っている神経の束です。
ここを損傷した場合は、むちうち症とは言わず、脊髄損傷(せきずいそんしょう)と呼び名が変わります。
軽いものなら手のしびれ程度ですが、重症になると手足の麻痺をきたしたり、排尿障害、排便障害などを引き起こします。