長引く頭痛。。髄膜炎かも。
皆様、こんにちは。
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。
髄膜炎とは?
通常の頭痛、いわゆる片頭痛や緊張型頭痛などが、1週間続くことは稀です。
1週間以上、強い頭痛が持続するような場合は、注意が必要です。頭痛の前に、風邪症状があった場合などは、髄膜炎の可能性があります。
髄膜炎とは、脳の周りの膜(髄膜)に、ウイルスや細菌、真菌(カビ)などの病原体が侵入し、強い頭痛を引き起こす病態です。
多くは、高熱、嘔吐、首が硬くなるといった症状を伴うことが多いのですが、頭痛のみで他ははっきりしないこともあります。
もともと健常者の方であれば、ほとんどがウイルスが原因で、ウイルス性髄膜炎といいます。
ウイルス性髄膜炎は、『頭の風邪』ですので、基本的には水分補給、安静といった対症療法でほぼ改善します。ひどい場合ですと、入院治療が必要なケースがあります。
高齢者や免疫が低下しているような方ですと、細菌(いわゆるバイ菌)や真菌(カビ)などが原因になることがあり、より重篤な状態となり、一刻も早く治療を開始する必要があります。細菌性髄膜炎や真菌性髄膜炎は、入院での治療が必須です。
髄膜炎の診断
髄膜炎は、基本的に脳MRIや脳CTでは、診断できません。
髄膜炎を疑った場合は、髄液検査という、腰の後ろから針を刺して髄液を抜いて調べる検査が必要となります。
当院では、その検査はできないので、髄膜炎を疑った場合は、ある程度の規模の病院に依頼します。
検査自体は研修医でもできる手技(腰の骨の変形が強い方は難しい)ですが、髄液を抜くと、頭痛が悪化したり気分不快になったりするケースもあるので、病院での検査が望ましいとされています。
ただ頭痛外来で遭遇する髄膜炎は、ほとんどがウイルス性髄膜炎です。ウイルス性髄膜炎は、自宅で寝ていれば治ることも多く、髄液検査が必ずしも必要かと言われると、難しいところです。重症度や患者さんの年齢なども考慮して、依頼するかどうか判断しております。
まとめ
長引く頭痛
高熱
嘔吐
首の後ろが固くなる
このような症状があった場合は、髄膜炎の可能性があるので、早めに医療機関を受診してください。