毎日の頭痛薬?薬剤乱用頭痛かもしれません!
- 2023年3月28日
- 頭痛
皆様、こんにちは。
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。
当クリニックは、名称のとおり、しびれと頭痛に特化したクリニックです。
今回は、頭痛専門医の立場として、薬剤乱用頭痛についてお話したいと思います。
薬剤乱用頭痛とは?
ここでいう薬剤とは、頭痛をおさえるための頭痛薬のことを言います。
薬剤乱用頭痛とは、片頭痛もしくは緊張型頭痛の人が、頭痛薬を服用してもなかなか痛みが引かないために、頭痛薬の量が増えてしまい、それによってさらに頭痛を引き起こしてしまう状態です。
頭痛をおさえるために頭痛薬を飲むのに、なぜそれが頭痛を起こしてしまうのでしょうか?
まだそこまで正確な原因は現時点では解明されていませんが、
頭痛薬の乱用によって、痛みに対しての感受性(感じやすさ)が強くなってしまうことが原因ではないかと言われています。
有病率は、疑い例を含めると人口の1%と言われ、実は非常に多い頭痛疾患です。
女性の方が多いと言われます。
ここでいう頭痛薬とは、
①バファリン、イブ、ノーシン、セデスなどの市販薬
②医師から処方されるカロナール、ロキソニン、ボルタレン、SG顆粒などの一般鎮痛薬
③医師から処方される片頭痛の特効薬(トリプタン系薬剤といいます)
の主に3種類が該当します
薬剤乱用頭痛の特徴
頭痛の特徴として以下となっております。
①ほぼ毎日のように起こる
②起床時から頭痛がある
②頭痛の場所や強さは一定しないことが多い
③活動によって症状が強くなり、日常生活にも支障がある
④頭痛薬を飲んでも短時間で効果が切れる
⑤頭痛薬を増やしてもスッキリしない
薬剤乱用頭痛の診断基準
以下の3つを満たした場合は、薬剤乱用頭痛と診断されます。
❶ 頭痛が月に15日以上ある
❷ 鎮痛薬を普段から過剰に服用している状態が3ヶ月以上続いている
❸ 鎮痛薬を月に15日以上服用している
薬剤乱用頭痛の治療
薬剤乱用頭痛の治療の基本は、とにかく原因薬剤の中止です。
といっても、いきなり中止は難しいことも多いので、その場合は減量から開始します。
しかし、飲まないと頭痛が怖いので、不安からまた頭痛薬を飲んでしまう習慣からはなかなか抜け出せないものです。
ですので、頭痛予防薬を開始し、頭痛頻度を減らすようにします。
頭痛薬予防薬では、頭痛は悪化しませんので、まずはそれをしっかり飲んでもらい、あとは頑張って頭痛薬を飲まないようにしてもらいます。
ただ、頭痛予防薬の効果が現れるまで、最低1ヶ月はかかります。
ですので
とにかく最初の1ヶ月は、なるべく頭痛薬を飲まないように頑張りましょう!
場合によっては、治療開始から1-2ヶ月は、重要なイベントを入れないようにしてもらいます。
本来ならできるだけ早く治療を開始した方がいいのですが、どうしても大事な仕事などがある場合などは、それが落ち着いてから本格的に治療を開始する方がいいこともあります。
薬剤乱用頭痛は、患者さんのご協力もないと中々改善しません。
薬剤の乱用期間が長ければ長いほど、治療が難しくなってくるので、頭痛薬乱用の傾向がある方は、早めに頭痛専門医を受診してください。
当院でももちろん対応しております。
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