手術で治る認知症、正常圧水頭症とは?|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

〒167-0053東京都杉並区西荻南1丁目1-1 西荻南メディカルモール3階
Tel:03-3332-0777
fax:03-3332-0788
ヘッダー画像

院長ブログ

手術で治る認知症、正常圧水頭症とは?|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

手術で治る認知症、正常圧水頭症とは?

皆様、こんにちは。

すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。

現在、認知症に対して多くの治療薬の研究が進められていますが、症状を遅らせるのが精一杯で、大幅な改善が期待できる特効薬は出ておりません。

そんな中、手術で劇的に改善する認知症(厳密に言えば認知症に似た病態)が、あることをご存知ですか?

それは、『正常圧水頭症』といいます。

正常圧水頭症とは?

正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)とは、60-70歳台より発症することが多く、髄液という脳の中を循環している液体が増加することで、髄液の通り道の脳室(のうしつ)という脳の部屋が拡大することで認知症に似た症状をきたします。

正常圧水頭症の症状

代表的な症状は、この3つです。

① 物忘れ

② 歩行が小刻みになる

③ 尿失禁

これらの症状は、一般の認知症と区別がつかないことも多く、見過ごされているケースも多いとされています。

正常圧水頭症の検査

正常圧水頭症の検査では、まずCTやMRIで脳室の拡大を確認します。

 

しかし、脳室は高齢者になってくると脳の萎縮に伴い、脳室もある程度拡大してくるので、脳室の拡大だけでは正常圧水頭症かどうかは確定できません。

次に、腰の後ろから針を刺して髄液をいくらか抜く検査を行います。

 

髄液は頭から背骨を通ってお尻まで循環しているので、腰から髄液を抜くと、頭の髄液も一時的に減ることとなります。

もし正常圧水頭症の場合は、頭の髄液が減った状態になると、症状が一時大幅に改善します。

髄液は減った分はまた数日で産生されるので、症状は数日で元に戻ってしまいます。

ただ、この一時的に改善するかどうかが非常に重要で、一時的でも改善した場合に、正常圧水頭症と確定診断されます。

正常圧水頭症の治療

CTもしくはMRIによる画像検査と髄液を抜く検査の判定で、正常圧水頭症と診断されれば、手術での改善が期待できます。

全身麻酔による手術ですので、全身麻酔ができない方(持病が多い、超高齢者など)には難しいですが、、基本的には脳外科の手術の中では危険度はかなり低い部類に入るので、かなりの高齢者に対しても行うことが多いです。。

手術は、脳の余分な髄液をお腹に流すために、細い管を、脳もしくは背骨からお腹まで細い管を体の中に埋め込むシャント手術というものを行います。

脳からお腹へ通す管を方法を、VPシャント

背骨からお腹へ通す管を方法を、LPシャント術

の2種類があり、いずれも効果は同等となっています。

最近は、頭の操作がないLPシャント術のほうが人気ですが、背骨の変形が強い人などは管が入らないことがあり、VPシャント術しか難しい場合があります。

まとめ

今までしっかりされていた方が、徐々に、物忘れ、歩行障害、尿失禁などが出てきた場合には正常圧水頭症の可能性があるので、脳神経外科の受診をおすすめします

当院にもお気軽にご相談ください。