当院のしびれ外来
- 2023年3月24日
- しびれ
皆さま、こんにちは。
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。
当院での『しびれ外来』の流れ
当クリニックは、名称のとおり、しびれと頭痛に特化したクリニックです。
勤務医時代の2017年に体のあらゆるしびれを対象にした『しびれ外来』を担当し、開業後も現在もしっかり継続しております。
※しびれについてやしびれをきたす病気については、このページで詳しく解説しております。
今回は、当クリニックでの『しびれ外来』の流れにつきまして、ご説明したいと思います。
『しびれ外来』ってどんな検査や治療をするのかな?
と疑問に思っている方がいましたらご参考になるかと思います。
まずしびれをきたすもので最も緊急性が高く、見逃せないものとして、脳卒中があります。
脳卒中とは、
①脳梗塞
②脳出血
③くも膜下出血
の3種類の総称ですが、突然の顔や手足のしびれをきたすものとしては、
①脳梗塞と②脳出血の2つと考えてもらって結構です。
ある瞬間に突然、顔や体のしびれをきたした際は、この2つの疾患の可能性が高いので、すぐ頭のMRI(もしくはCT)を必ず撮るようにいたします。
脳梗塞⬇︎
脳出血⬇︎
万が一、脳卒中(脳梗塞もしくは脳出血)が見つかってしまった場合には、提携を結んでいる総合病院にすぐ受診できるよう手配いたします。
何ヶ月や何年も前からのしびれであれば、基本的に、脳卒中の可能性は極めて低いので、それほど慌てなくても大丈夫です。
脳卒中(脳梗塞もしくは脳出血)でないことがわかれば、比較的時間の猶予はあります。
次に多いのが、せぼね(首や腰)が原因のしびれです。
上半身のしびれは首が、下半身のしびれは腰が原因のことが多いです。
せぼねに関しても、正確な診断にはMRIが最大限に効果を発揮します。
せぼねの病気で代表的なものには、椎間板ヘルニア、頚椎症、腰部脊柱管狭窄症があります。
MRIはせぼねだけでなく、内部の神経の状態も明瞭に調べることができるので、これらの病気の診断には必須です。
頚椎症⬇︎
椎間板ヘルニア⬇︎
MRIが撮れない事情がある方(閉所恐怖症やペースメーカーが入っているなど)には、CTで代用します。
CTは、診断能力はMRIに比べて劣りますが、それでも必要十分な診断は可能ですし、非常に短時間で撮影できるという点が大きなメリットです。
(MRIはどうしても10分〜20分程度の撮影時間が必要です)
※MRIとCTの違いについては、このページで解説しています。
MRI⬇︎
CT⬇︎
次に、手足の神経(末梢神経)が原因のしびれも、当院では調べることができます。
末梢神経に関しては、MRIやCTなどの画像診断でもなかなか診断がつきません。
そのため原因不明のしびれというように診断されてしまっているケースも多くあります。
当院では、神経伝導速度計という、神経の伝導の具合を調べることで障害の有無を調べる装置で、末梢神経の障害を調べます。
神経伝導速度計⬇︎
さらに、足の動脈が動脈硬化によって狭くなってくると、血液の循環が悪くなり、足のしびれを起こすこともあります。
その際には、足のMRA検査(MRIと同じ装置で可能です)を行い、血管の走行を調べます。
足のMRA検査⬇︎
これらの検査に加え、しびれの原因となる内科的疾患(ビタミン不足や甲状腺機能障害、糖尿病など)が疑われれば、採血でそれらのチェックも行います。
こういった検査を組み合わせながら、経験にもとづいて診断をつけていき、診断ごとになるべく体に負担が少ない最適な治療を考え、行なってまいります。
たとえば軽い頚椎症や椎間板ヘルニアなどでは、日常生活の指導だけで改善することも多いです。
また診断がついただけで、安心できて多少の症状なら気にならなくなることもあります。
ある程度、症状が強い方には、弱めの内服薬から開始し、症状の具合や副作用の有無などによって外来で内服の調整をします。
経過中に症状悪化があれば必要に応じて注射による治療(ブロック治療)なども行います。
足の動脈の動脈硬化が原因だったり、内科的疾患(ビタミン不足や甲状腺機能障害、糖尿病など)が原因の場合でも、まずは内服薬での対処が基本です。
専門的な治療が必要となれば信頼できる医療施設を紹介いたします。
症状が我慢できないくらい強くなってしまったり、放置した場合深刻なことになってしまうような場合などで、手術で治るケースであれば、提携している総合病院がありますので、そこで手術用顕微鏡を使って安全に手術をいたします。
首(頚椎)と腰(腰椎)、末梢神経の手術であれば、院長の遠藤が対応可能です。
ただし手術は最後の手段ですので、なるべく手術を回避し、それ以外の方法で何とか改善させる方法を絶えず考えてまいります。
おおまかですが、このような流れで、当クリニックでは『しびれ外来』を行なっております。
こんな症状でかかってもいいのかな?などご心配なさらず、しびれに関してどんな症状でもお気軽にご相談ください。
以前の病院にいた時に『主治医が見つかる診療所』で『しびれ外来』を取り上げていただきました。
興味ある方は、写真の下の再生ボタンをクリックすると動画が再生されますので、ご参考にしてください。
よくあるご質問(FAQ)
Q 検査や治療は、保険治療でしょうか?
当クリニックの検査・治療は全て保険適応ですので、厚労省が定めた全国一律の料金となっております。
Q 服薬以外の治療は行っていますか?
スーパーライザーという近赤外線治療器を導入しております。
痛みやしびれを引き起こす疾患の多くに適応となっております。
治療中の痛みや副作用などはなく、当クリニックでは、診察料以外にいただいておりませんので、ぜひご利用ください。
スーパーライザーについてはこちらをご参照ください。
また、症状がきつい方に対しては、直接注射で薬剤を投与するブロック注射なども行っております。
Q 予約なしでも大丈夫でしょうか
はい。大丈夫です。
予約優先となりますので、少しお待たせするかもしれませんが、順番に検査を行なってまいります。
当日思い立って受診していただいても全く問題ありません。
Q しびれ以外にも腰痛や首の痛み、坐骨神経痛なども診ていただけるのでしょうか?
もちろんです。
しびれと痛みは密接な関係があり、診断に必要な検査は共通していることがほとんどです。
痛みに対しても適切な治療を行なってまいりますので、お気軽にご相談ください。
Q 遠方に住んでいるのですが、検査は1日で可能でしょうか?
当クリニックでは、即日検査・即日診断を心がけています。
複数の検査が必要となりましても、1日で完結することが可能です。
治療方針が決まりましたら、今後通院が難しければ、かかりつけ医への紹介状も書けますので、地元で同様の治療を継続することも可能です。
当クリニックの休診日の確認だけはお願い申し上げます(事前に電話いただければ確実です)。
Q 他院で脊椎手術をすすめられているのですが、セカンドオピニオン的な相談は可能でしょうか?
はい。可能です。
院長の遠藤は、豊富な脊椎手術の経験があり、それに基づいた客観的な見解をご提示可能です。
前医での画像データ(CD ROM)があればご持参ください。
データがない場合でも、当クリニックにて当日に検査可能です。
お気軽にご相談ください。
Q 当クリニックで手術は可能でしょうか?
当クリニックは入院設備がありませんが、脊椎や末梢神経の手術であれば提携を結んでいる総合病院がありますので、万が一手術が必要な場合には、遠藤が責任持って執刀いたします。
手術用顕微鏡を使って拡大された明るい視野で、安全に手術を行います。
術後管理も信頼できる医師としっかり連携が取れる体制になっていますので、ご安心ください。
脳の手術が必要な場合には、信頼できる医療機関をご紹介いたします。