しびれとは?
- 2023年2月14日
- しびれ
皆様、こんにちは。
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。
勤務医時代の2017年に体のあらゆるしびれを対象にした『しびれ外来』を担当し、開業後もしっかり継続しております。
今回は、その『しびれ』について、少しお話していきたいと思います。
『しびれ』とは??
そもそも『しびれ』とは、何なのでしょうか。
・ビリビリ、ピリピリ
・正座の後のジンジン
・さわった感覚がわからない
などなど、誰しも一度は『しびれ』というものを感じたことはあると思います。
例外はありますが、『しびれ』とは体のどこかの神経に障害が起こっている状態と考えてください。
では、『神経』とは何なのでしょうか??
よく、ずぶとい神経をしているとか、神経衰弱といった言葉があるように、なんとなく、精神的なものを想像する人もいるかもしれません。
実際には、全く違います。
実は、脳自体が、『神経』の塊なのです。
そして脊髄(せきずい)は、『神経』の筒です。
さらに脊髄から外側に向かって多くの末梢神経が分かれます。
『神経』とは、これら全てを含んだ言い方なのです。
かなり衝撃な絵😵ですが、下に示したのが、上半身の神経の分布となっております。
まずなんといっても神経の一番のおおもとは、『脳』です。
脳という神経細胞の塊から『脊髄(せきずい)』という長い筒状の神経の束(たば)が首からお尻まで伸びています。
そしてこの脊髄から左右にたくさんの神経が枝分かれして、体のさまざまなところへ向かいます。
この脊髄から外側に出た神経を『末梢神経(まっしょうしんけい)』と言います。
例えるなら、ダムから上流の川が出ていてそこから支流が分岐しているのをイメージしてください。
・ダムが脳
・上流の川が脊髄
・支流が末梢神経
のイメージです。
(例えがよけいわかりづらかったらすみません😅)
絵のように、脳と脊髄は体に1つしかありませんが、末梢神経はたくさんあります。
『しびれ』はこれらの脳、脊髄、末梢神経のどこかに障害があると起こってきます。
つまり『しびれ』の専門家になるためには、全身の神経に精通している必要があるのです。
『しびれ』は神経のSOS?
神経の障害がとっても強く、神経が完全に死んでしまうと、手や足を動かすことができなくなる『麻痺』という状態になってしまいます。
たとえば、脳に強い障害が起こす脳卒中では、体の左右どちらか半分が動かなくなってしまいます。
また脊髄が完全に障害されてしまうと、脊髄損傷という状態となり、両方の手や足が動かせなくなってしまいます。
末梢神経が完全に障害されてしまうと、ある一定の部分が動かせなくなります。
神経の損傷の程度が軽くて、細胞が十分生き残りっていれば、動かせないまではいかず、手足の『しびれ』のみで済みます。
『しびれ』は、完全に神経が死んでしまう状態には至っていない状態です。
が、『神経が多かれ少なかれ痛んでいますよ』というサインにもなっています。
(もちろん例外はありますが、ここではそういうことにしといてください😄)
放っておいてもよい『しびれ』ってあるの?
では、『しびれ』が出たら、すぐに病院を受診しなければいけないのでしょうか。
もちろんそんなことはなく、放っておいてもよい『しびれ』もあります。
★正座の後の『しびれ』
★変な寝相で寝てしまった後の『しびれ』
★肘を机などにぶつけってしまった時の『しびれ』
★運動や筋肉トレーニングの後の『しびれ』
などは、心配ありません。
すぐに(長くても数日以内に)治る『しびれ』ならまず心配ないと思ってよいでしょう。
すぐに医療機関を受診しなきゃいけない『しびれ』とは?
では、すぐに救急車を呼んででも医療機関を受診しなければいけない『しびれ』というのどんなものなのでしょうか。
ほぼこの3つなので、覚えておいてください。
★手足の麻痺を伴う『しびれ』
★どちらか体の片側のみの『しびれ』
★よだれが出たり、呂律(ろれつ)が回らない、めまい等を伴う『しびれ』
このような症状が『突然』出た場合は、脳卒中の可能性が高いですので、一刻も早く脳神経外科を受診してください。
『突然』というのがキーワードです。
しびれを来す疾患について知りたい方は、こちらでまとめていますので、ぜひご参照ください。
前半は、このページとかぶった内容ですが、後半に症状別にまとめております。