仙骨ブロック注射について
皆様、こんにちは。
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。
当院では、以下の適応がある方に仙骨ブロック注射を行っております。
・腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症による腰痛・坐骨神経痛
・ぎっくり腰などの急性腰痛
まずは内服薬での治療を第1選択としていますが、内服薬だけでは症状の改善が不十分であったり、激しいぎっくり腰で歩行もままならない方などに、即効性の高い仙骨ブロックを検討しております。
仙骨ブロックの適応は広いですが、特に、急激な症状の悪化があった場合にとても有効です。
治療時間は、1分程度で、痛みもそれほど伴いません。
安全性も高く即効性が期待できる治療です。
仙骨ブロックとは?
仙骨とは、お尻の骨(尾てい骨)の少し上にある骨です。
この仙骨にある骨の穴から、痛みを速やかに消失させる薬剤を注射します。
この薬剤が、内部の神経に浸透していき、症状が改善します。
注射の針は非常に細いので、それほど強い痛みは感じないことがほとんどです。
注射後は、薬剤を浸透させるために15分程度横になってもらい、問題なければ帰宅となります。
合併症は非常に少ない治療ですが、まれに薬剤が効きすぎて足に力が入らなくなることがあります。
その場合でも、1時間以内で改善しますので、その際は改善するまでクリニックで休んでいただきます。
効果は、一定期間有効で、1回で劇的に改善することもあれば、何度か行うことで改善していくこともあります。
経験的には、急激な症状の悪化などは1回で満足していただくことが多いのですが、慢性的な症状の方は、効果を強く実感するのに複数回行うことが多い印象です。
仙骨ブロックの費用
仙骨ブロックは、保険治療です。
3割負担の方は、約1100円
1割負担の方は、約360円
となっております。
神経根ブロックとの違い
仙骨ブロックとは別に、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の際に行う神経根ブロックという治療があります。
この治療では、直接、腰から足に向かう神経に直接針を刺し薬剤を注入します。
痛みの原因になっている神経がわかっていれば、直接その神経に薬剤を注入できるので、効果は仙骨ブロックより高いとされていますが、そのぶん治療に痛みを伴います。
また神経の位置を正確に知るために、治療中にX線を都度使用する必要があり、造影剤というお薬も使うので、当院では行っておりません。
※神経根ブロックが必要な方は、提携を結んでいる河北総合病院で、遠藤が出張にて行います。