天気が悪いと起こる頭痛
- 2023年4月25日
- 頭痛
皆様、こんにちは。
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。
天気頭痛とは?
片頭痛の患者さんを治療していると、天気が悪かったり、低気圧(雨や風をもたらす気圧)が近づいたりする時に、頭痛が悪化するという方が、結構な数いらっしゃいます。
正式な名称はありませんが、『天気頭痛』や『気象関連頭痛』などの通称で言われることはあります。
天気頭痛の原因
天気頭痛の原因は、はっきりとはわかっていませんが、悪天候や低気圧により、体の水分バランスが乱れ、血管の中の水分が必要以上に増えてしまうことが原因ではないかと言われています。
また自律神経の乱れなども原因とも言われています。
天気頭痛の治療
体の水分バランスや自律神経の乱れを整えるために、バランスの良い食事、規則正しい生活、適度な運動・睡眠などを心がけることが効果的と言われています。
しかし
ここからは持論ですが、実際には、それらの行動を取ったところで、劇的な改善が得られる可能性は、高いとは思えません。
むしろそれらを無理に意識しすぎることでよりストレスがかかる気がします。
バランスのよい食事?
規則正しい生活?
適度な運動・十分な睡眠?
これらは、全ての病気の予防の際に言われている決まり文句です。
天気頭痛にだけ効果があるわけでないので、全く意味がありません。
結局、天気頭痛はベースに片頭痛がある人がなることがほとんどなので、片頭痛の治療を行うことが最も重要だと考えます。
天気頭痛によく用いるのが、『五苓散(ごれいさん)』という漢方です。
『五苓散』は、体内の水分量を調整する作用があるといわれ、天気頭痛に効果的と言われています。
実際に私もよく処方しますが、本格的な片頭痛に対しては、単独では効果が不十分に感じます。
あくまで、五苓散は、主流の片頭痛治療を行なった上で、その補助的な治療と位置付けております。
注意事項
天気頭痛の方は、市販の鎮痛剤で対処している方も多いかと思います。
月に数回であれば問題ありませんし、それでコントールできている方は、無理に医療機関にかかる必要はありません。
ただ、月に10回以上鎮痛剤を飲むようになったら要注意です。
薬剤乱用頭痛という、鎮痛剤を飲むことでさらに頭痛が悪化するという悪循環に陥ってしまう可能性があります。
薬剤乱用頭痛については、こちらで詳しく解説しています。
・鎮痛剤の量が増えてきた(月10回以上)
・鎮痛剤が効かなくなってきた
などの状態になった場合には、必ず頭痛外来もしくは頭痛専門医がいる医療機関に相談するようにしてください。