CTでは脳梗塞はわからない?MRIとの違いを脳神経外科医が解説|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

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CTでは脳梗塞はわからない?MRIとの違いを脳神経外科医が解説|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

CTでは脳梗塞はわからない?MRIとの違いを脳神経外科医が解説

皆様、こんにちは。

すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。

今回は、患者さんからも時々質問される、「CTでは脳梗塞はわからないのか?」 という疑問についてお話しします。

脳の検査には、大きく分けてCTとMRIがあります。

どちらも脳の中を詳しく調べる検査ですが、それぞれ得意な病気、不得意な病気があります。

私はこれまで急性期病院で多くの脳卒中患者さんの診療に携わってきましたが、CTとMRIの使い分けは、非常に重要だと感じています。

結論:発症早期の脳梗塞は、CTではわからないことが多い

結論から申し上げます。

発症して間もない脳梗塞を見つけるには、一般的にCTよりもMRIの方が優れています。

特に発症直後の脳梗塞や、小さな脳梗塞では、CTで異常がほとんどわからないことも珍しくありません。

一方、MRIでは、DWI(拡散強調画像)という撮影方法を用いることで、発症早期の脳梗塞を比較的明瞭に描出できます。

ただし、MRIでも発症直後の小さな脳梗塞などは写らないことがあります。

つまり、CTでもMRIでも、画像に異常がないからといって、脳梗塞を完全に否定できるわけではありません。

実際のCTとMRI画像を比較してみましょう

左がCT画像、右がMRI画像です。

左のCT画像では、脳梗塞の部分がわずかに黒っぽくなっていますが、非常にわかりづらいですね。

一方、右のMRI画像では、脳梗塞の部分が白く、はっきりと写っています。

このように、同じ脳梗塞でも、検査方法によって見え方が大きく異なります。

もちろん、発症から時間が経過した脳梗塞や、範囲の広い脳梗塞であれば、CTでも比較的容易に診断できることがあります。

しかし、特に発症早期の小さな脳梗塞を見つけるには、MRIが非常に役立ちます。

では、なぜ救急病院ではCTを撮ることが多いのでしょうか?

「MRIの方が脳梗塞を見つけやすいなら、最初から全員MRIを撮ればいいのでは?」

そう思われる方も多いかもしれません。

しかし、実際の脳卒中診療では、CTが非常に重要な役割を担っています。

理由は、出血病変を短時間で診断できるからです。

脳卒中には、大きく分けて脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3種類があります。

いずれも突然発症することが多く、手足の麻痺や言語障害、意識障害など、似たような症状が現れることがあります。そのため、症状だけで正確に区別することは困難です。

そこで重要になるのがCTです。

発症早期の脳梗塞はCTではわかりにくいことがありますが、出血病変(脳出血・くも膜下出血)は、CTで速やかに診断できることが多い病気です。

特に脳出血では、出血している部分が白くはっきりと写ります。くも膜下出血についても、発症直後であればCTで比較的容易に診断できることが多くあります。

つまり、CTは脳梗塞の早期発見には弱いものの、脳出血やくも膜下出血の診断には非常に優れた検査なのです。

しかも、撮影時間はわずか数十秒程度です。

このように、短時間で脳の出血を確認できることが、救急医療におけるCTの大きな強みです。

なお、現在の脳梗塞診療では、MRIやCT血管撮影(CTA)などを用いて、脳梗塞の範囲や血管の閉塞状況を詳しく調べることが一般的です。

脳梗塞の急性期治療には、血栓を溶かす点滴治療(tPA治療)や、カテーテルを使って血栓を取り除く治療(血栓回収療法)などがあります。

これらの治療は、専門的な検査設備と治療体制が整った医療機関で行われます。

CTとMRI、それぞれの得意分野

簡単にまとめると、以下のようになります。

比較項目 CT MRI
発症早期の脳梗塞 見えにくいことが多い 比較的見つけやすい
急性期の脳出血 非常に得意 撮影方法により診断可能
急性くも膜下出血 初期診断で重要 状況により補助的に使用
小さな脳梗塞 見逃しやすい 比較的得意
検査時間 非常に短い 比較的長い
放射線被ばく あり なし

どちらが優れているというよりも、病気の種類や患者さんの状態によって、適切に使い分けることが大切です。

CTで異常がないと言われても、安心できない場合があります

ここは、ぜひ知っておいていただきたいところです。

例えば、突然片方の手足に力が入らなくなった、言葉が出なくなった、まっすぐ歩けなくなった、といった症状が出た場合です。

救急病院でCTを撮影し、「特に異常はありません」と言われたとしても、それだけで脳梗塞が否定されたわけではありません。

特に発症早期の脳梗塞では、CTに異常が現れないことが多いためです。

もちろん、すべての患者さんにMRIが必要というわけではありません。

神経学的診察や症状の経過、必要に応じた追加検査などを組み合わせて判断します。

突然の麻痺、言語障害、強いふらつきなどが出現した場合は、症状が軽くても、また途中で改善したとしても、脳卒中の可能性があります。

このような場合は、クリニックの外来予約を待たず、速やかに119番で救急要請してください。

当院ではMRI・CTの両方を備えています

当院では、MRIとCTの両方を院内に設置しています。

頭痛、めまい、しびれなどの症状に対して、診察所見や症状の経過を踏まえ、必要な画像検査を選択しています。

脳梗塞が疑われる場合には、MRIによって脳の状態を詳しく確認することができます。

また、脳出血や頭部外傷など、CTが適している病態ではCTを活用しています。

ただし、すべての脳卒中をクリニックで診断・治療できるわけではありません。

緊急治療が必要と判断した場合には、速やかに適切な救急医療機関へご紹介します。

最後に

今回は、CTとMRIによる脳梗塞の診断についてお話ししました。

まとめると、

「CTでは脳梗塞がわからない」というのは、半分正解です。

発症早期の脳梗塞はCTでは見えにくいことが多く、MRIの方が診断に優れています。

しかし、CTにも脳出血の診断や、急性期治療を迅速に進めるうえで大きな役割があります。

私はこれまで脳卒中の診療に数多く携わってきましたが、CTもMRIも、それぞれ欠かせない検査だと感じています。

大切なのは、検査の特徴を理解し、患者さんの状態に合わせて適切に使い分けることです。

何かのご参考になれば幸いです。