腰椎圧迫骨折について
皆様、こんにちは。
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。
今回は、腰椎圧迫骨折(ようついあっぱくこっせつ)について解説してまいります。
腰椎圧迫骨折とは?
腰椎圧迫骨折とは、脊椎(せぼね)に垂直方向の力が加わって、潰れるように折れてしまう骨折です。
高齢者で骨粗鬆症(こつそしょうしょう)という骨が弱くなってしまう病気の方に多く発生します。転倒による尻もちや、重たいものを持ったり、体をひねっただけで生じることもあります。
若い方ですと、高所から足やお尻から転落した場合に起こることがほとんどです。
腰椎圧迫骨折の症状
腰椎圧迫骨折の主な症状は、背中や腰の強い痛みです。
転倒した直後に出現することが多いですが、特に何かした覚えがないのに急に痛くなることもあります。
動くと悪化し、横になると楽になり、歩行がままならないような痛みのことも多いです。
潰れた骨が、脊柱管という神経の通り道まで飛び出してしまうと、足の痛みや麻痺、排尿障害まできたすことがあります。この場合は、緊急での処置が必要になりますので、すぐに医療機関を受診してください。
腰椎圧迫骨折の検査
診断は、レントゲン、CT、MRIで可能です。
骨折した骨だけ見るのであればレントゲンで診断可能ですが、脊柱管内の神経の状態を調べるには、最低でもCT、できればMRIを撮る必要があります。
レントゲン画像⬇︎
CT画像⬇︎
MRI画像⬇︎
腰椎圧迫骨折の治療
まず最初の治療は以下の3つです。
① 安静
② しっかりしたコルセットによる固定
③ 痛みの管理のための投薬
これらを行いながら自然に骨がくっつくのを待ちます。
固定用コルセットは、市販のタイプでは固定が不十分ですので、しっかり固定できるタイプのものを作成します。⬇︎
これらの治療を行っても強い痛みが続く場合には、骨折した椎体の中にセメントを注入して、固めたり、金具で骨を固定したりという手術を行うこともあります。またベースに骨粗鬆症がある場合には、骨粗鬆症の治療も必要となってきます。
セメント治療⬇︎
固定手術⬇︎
最後に
高齢化社会による骨粗鬆症の増加・転倒の増加によって、腰椎圧迫骨折も激増することが予想されます。
さらに骨粗鬆症があると、転倒などの経緯がなくても『いつのまにか骨折』の可能性もあります。
強い腰痛が続くようなら必ず脊椎専門医を受診してください。
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニックでも、脊椎専門医による腰椎圧迫骨折の診断・治療を行っております。
気になる方はお気軽にご相談ください。