蓄膿症(副鼻腔炎)で頭痛が起こる?片頭痛との違いも解説|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

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蓄膿症(副鼻腔炎)で頭痛が起こる?片頭痛との違いも解説|すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック|西荻窪駅・久我山駅

蓄膿症(副鼻腔炎)で頭痛が起こる?片頭痛との違いも解説

皆様、こんにちは。

すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック院長の遠藤です。

蓄膿症(副鼻腔炎)は頭痛を引き起こすことがあります。

特に、おでこや目の奥、頬のあたりが痛む場合には、副鼻腔炎が原因となっている可能性があります。

しかし、ここで一つ注意していただきたいことがあります。

副鼻腔炎が見つかったからといって、その頭痛が必ずしも副鼻腔炎によるものとは限らないのです。

実際には、片頭痛など別の頭痛が原因となっているケースもあります。

今回は、蓄膿症による頭痛の特徴や、片頭痛との違い、検査や治療について、脳神経外科の立場から解説したいと思います。

1.蓄膿症(副鼻腔炎)とは?

私たちの顔の骨の中には、「副鼻腔(ふくびくう)」と呼ばれる空洞があります。

副鼻腔は、鼻の周囲やおでこ、頬の奥などに存在しています。

この副鼻腔の粘膜に炎症が起こる病気が、副鼻腔炎です。

一般的には「蓄膿症」という名前でも知られています。

副鼻腔炎には、大きく分けて急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎があります。

・急性副鼻腔炎

風邪などをきっかけに発症することが多く、鼻づまりや鼻水、顔面の痛みなどが現れます。

ウイルス感染によるものも多く、必ずしも細菌感染とは限りません。

 

・慢性副鼻腔炎

副鼻腔の炎症が長期間続く状態で、一般的には12週間以上症状が持続する場合を指します。

鼻づまり、鼻水、嗅覚の低下などがみられ、鼻茸(鼻ポリープ)を伴うこともあります。

なお、慢性副鼻腔炎では、必ずしも頭痛が出るわけではありません。

2.なぜ副鼻腔炎で頭痛が起こるの?

副鼻腔炎になると、副鼻腔の粘膜に炎症が起こり、腫れや分泌物の貯留などが生じます。

こうした炎症によって周囲の神経が刺激され、顔面の痛みや圧迫感、頭痛が起こることがあります。

痛みの場所は、炎症が起きている副鼻腔によって異なります。

例えば、

  • 前頭洞(おでこの奥):額や眉間のあたり

  • 上顎洞(頬の奥):頬、目の下、上の歯のあたり

  • 篩骨洞(目と目の間):目の周囲や鼻の付け根

  • 蝶形骨洞(鼻のさらに奥):頭の奥や後頭部などに痛みが出ることもあります

ただし、痛みの場所だけで、どの副鼻腔に炎症があるかを正確に判断することはできません。

また、副鼻腔炎による頭痛では、鼻づまりや鼻水などの症状を伴うことが多いのも特徴です。

3.副鼻腔炎による頭痛には、どんな特徴があるの?

副鼻腔炎による頭痛では、次のような症状がみられることがあります。

・おでこや頬、目の奥が痛む

・顔が重い、圧迫されるような感じがする

・鼻づまりや鼻水が続いている

・においがわかりにくくなる

・前かがみになると顔面の痛みが強くなる

・発熱や全身のだるさを伴うことがある

特に、風邪をひいた後から鼻の症状とともに頭痛が出現した場合には、副鼻腔炎も考える必要があります。

ただし、これらの症状があるからといって、副鼻腔炎が頭痛の原因だと断定できるわけではありません。

4.実は、片頭痛と間違われることもあります

ここは、ぜひ知っておいていただきたいポイントです。

おでこや目の奥が痛むと、「副鼻腔炎による頭痛ではないか」と考える方も少なくありません。

しかし、片頭痛でも、おでこや目の奥、顔面に痛みが出ることがあります。

さらに、片頭痛では、自律神経の働きによって、頭痛に伴って鼻づまりや鼻水、涙目などの症状が現れることもあります。

そのため、鼻の症状があるからといって、必ずしも副鼻腔炎とは限らないのです。

両者の違いを簡単にまとめてみます。

副鼻腔炎による頭痛 片頭痛
痛みの場所 おでこ、頬、目の周囲など こめかみ、目の奥、額など
痛みの特徴 重い、圧迫されるような痛み ズキズキする痛み、圧迫感など
鼻の症状 鼻づまり、鼻水、嗅覚低下など 鼻づまりや鼻水を伴うこともある
吐き気 典型的ではない 伴うことが多い
光や音への過敏 典型的ではない 伴いやすい
体を動かしたとき 前かがみで痛みが増すことがある 日常動作で悪化しやすい

もちろん、これは一般的な傾向であり、症状だけで完全に区別できるわけではありません。

また、副鼻腔炎と片頭痛が同時に存在することもあります。

実際の診療では、頭痛の性質だけでなく、鼻の症状や経過、必要に応じた検査結果などを総合的に判断します。

5.MRIやCTで副鼻腔炎が見つかったら?

当院では、頭痛の精査を目的としてMRIやCTを撮影することがあります。

その際、脳には明らかな異常がなくても、副鼻腔に炎症を疑う所見が見つかることがあります。

ただし、ここにも注意点があります。

画像検査で副鼻腔炎を疑う所見が見つかったからといって、それが現在の頭痛の原因とは限りません。

副鼻腔の粘膜が多少厚くなっている程度の変化は、頭痛とは関係なく見つかることもあります。

例えば、片頭痛の患者さんのMRIで副鼻腔の粘膜肥厚が見つかったとしても、その頭痛が副鼻腔炎によるものとは限らないのです。

逆に、副鼻腔炎が頭痛の原因となっている場合には、鼻の症状や炎症の経過と頭痛の出現・改善が関連していることが多くなります。

大切なのは、画像所見と実際の症状が一致しているかどうかです。

CTとMRI、どちらがよいの?

副鼻腔そのものを詳しく評価する場合には、一般的にCTが有用です。

CTでは、副鼻腔内の炎症による陰影や、骨の構造などを確認できます。

一方、MRIは脳や周囲の軟部組織の評価に優れており、脳疾患との鑑別や、炎症が周囲に広がっていることが疑われる場合などに役立ちます。

ただし、典型的な急性副鼻腔炎では、必ずしもCTやMRIが必要なわけではありません。

症状や診察所見から判断できる場合も多く、画像検査は必要性を考えて行います。

6.副鼻腔炎の治療はどうするの?

副鼻腔炎の治療は、原因や症状の程度によって異なります。

 

① 薬物療法

急性副鼻腔炎では、ウイルス感染が原因となっていることも多く、自然に改善するケースもあります。

そのため、副鼻腔炎だからといって、必ず抗菌薬(抗生物質)が必要になるわけではありません。

症状に応じて、鎮痛薬、鼻噴霧用ステロイド薬、鼻洗浄などが検討されます。

一方、細菌感染が疑われる場合には、抗菌薬を使用することがあります。

特に、症状が10日以上改善しない場合や、一度よくなった後に再び悪化する場合などには、細菌性副鼻腔炎の可能性が高くなります。

ただし、こうした経過であっても、すべての患者さんに直ちに抗菌薬が必要というわけではありません。

 

② 慢性副鼻腔炎の治療

慢性副鼻腔炎では、鼻噴霧用ステロイド薬や鼻洗浄などが治療の基本となります。

病態によっては、耳鼻咽喉科で専門的な薬物療法が行われます。

また、薬物療法で十分に改善しない場合には、内視鏡による手術が検討されることもあります。

慢性副鼻腔炎にはさまざまなタイプがあるため、専門的な評価が重要です。

7.注意が必要な頭痛もあります

副鼻腔炎による頭痛の多くは、適切な治療によって改善が期待できます。

しかし、まれに炎症が眼の周囲や頭蓋内に広がり、重い合併症を起こすことがあります。

特に、

・目の周囲が強く腫れている

・物が二重に見える、視力が低下する

・今までにない強い頭痛が出現した

・高熱とともに頭痛が悪化している

・意識がおかしい、けいれんがある

といった症状には注意が必要です。

このような場合には、通常の副鼻腔炎とは異なる重い病気が隠れている可能性もあるため、速やかな救急受診が必要です。

8.頭痛の原因が副鼻腔炎とは限らないからこそ

頭痛の原因は、片頭痛や緊張型頭痛、副鼻腔炎など、さまざまです。

さらに、頻度は高くありませんが、脳腫瘍や脳血管障害などの病気が隠れていることもあります。

当院では、脳神経外科の立場から頭痛の原因を検討し、必要に応じてMRIやCTなどの検査を行っています。

副鼻腔炎が疑われ、専門的な治療が必要と判断した場合には、耳鼻咽喉科へご紹介しています。

頭痛の原因をすべて脳の病気と考えるのも、逆に副鼻腔炎だけで説明してしまうのも、適切ではありません。

それぞれの症状や検査所見を確認しながら、原因を見極めることが大切だと考えています。

まとめ

蓄膿症(副鼻腔炎)は、おでこや目の奥、頬などの痛みや頭痛を引き起こすことがあります。

しかし、同じような場所が痛む片頭痛もあり、症状だけでは区別が難しい場合があります。

また、MRIやCTで副鼻腔炎を疑う所見が見つかっても、それが必ずしも頭痛の原因とは限りません。

大切なのは、画像検査の結果だけで判断せず、頭痛の特徴や鼻の症状、これまでの経過などを総合的に評価することです。

当院では、脳神経外科の立場からさまざまな頭痛の原因を検討し、必要に応じてMRI・CTによる精査を行っています。

また、耳鼻咽喉科での専門的な診療が必要な場合には、適切な医療機関と連携しています。

頭痛が長引いている方、蓄膿症が原因ではないかと心配されている方は、一度ご相談ください。